実習生
昨日、5日間の養護学校の高校3年生の実習が終わった。5日間一緒に過ごした。背の低い子だった。手足の細い子だった。
何百回その子の顔を覗いただろう。何千回かもしれない。
自分の目で見なさい。 自分の耳で聞きなさい。 自分の鼻で匂いなさい。 自分の手で触りなさい。 自分の頭で考えなさい。 まずは、自分の思うようにやって見なさい。
何度そんな事を彼に言っただろう。
最初彼はすぐにうなだれ、ふさぎこんだ。
それでも、何度も言った。
あえて言った。
時々彼は悪い顔で笑った。 僕も悪い顔をして笑い返す。 2人でお互いの顔を見て笑う。
家の中でも、学校でも、車の中でも、歩いていても、いろんな事が体験できる。先回りせず、いろんな事を体験させて欲しいと思った。
いろんなやりたい事がある。 いろんな出来る事がある。
ほとんどの場合、出来なくしているのは、障がいのせいではないとつくづく感じる。障がいがあろうがなかろうが。出来る事は無限大にある。やりたい事は誰でも元々無限大にある。
困るのは誰だろう。
僕は死んだ魚の目の子が増えると困る。僕が楽しくない。何でそんな事をやってるの。最近おじいちゃんに良く聞かれる。楽しいからですよ。少し間があき、お互いに顔を見合わせ自然に笑っているのが面白い。