uni:neuのルール
先日の「みんなの学校 全国大会」後、ふと思い出しました。
西成のuni:neuで自然と生まれたあるルールの事です。
uni:neuでは、大人も子どもも、おもしろい事は自分で探すという暗黙的なルールがありました。
ある時期、ランドセルを背負ったまま、毎日、uni:neuに来る小学1年生がいました。いつも、勢いよくお店に入って来て、30秒で帰っていきます。わざわざ遠回りして、お店に来ます。
家に帰ってランドセル置いてから来たらと言うと、「それは、無理やわーーー!!!家に帰ったら〇〇、家から出して貰われへんわ!!」と言います。なんでなのか聞くと、マシンガンのように喋り出します。そうなん。と僕は答えます。いろんな事情があるんだな。
uni:neuの来る子の半分以上は、親にuni:neuの事を知られるのを嫌がりました。中には、聞かれへんからという子もいましたが。。。まあ、気持ちはわかるので、基本放置してました。と言っても、学校の先生も、学童の先生も、友達の親も、時々来るので、完全な秘密には出来ないのですが、それでも、わざわざ親に言うような野暮な事はみんなしないので、皮肉にも子どもにとっての安心が、uni:neuでは保たれていたように思います。
数日後、ランドセルを背負わずその子はuni:neuに来ました。あれ?大丈夫になったん?と聞くと、「当たり前やろー!〇〇最近ええ子にしてんねん!」と何故かキレられました。
店に入ると、キョロキョロキョロキョロ。グルグルグルグル。ブツブツブツブツ。とても忙しそうです。何をしてるのか聞くと、面白そうな事を探していると言います。「ここは、面白い事を自分で探す所やろー!!!」っと言います。ふーん。と僕が答えると、又、キョロキョロキョロキョロ。グルグルグルグル。ブツブツブツブツ。時々、こっちに来て、今日、学校であった事をマシンガンのように浴びせてきます。お前は、トットちゃんかー!と突っ込むと、「何それ?」と不思議な顔をしていました。
しばらくして、時間大丈夫なん?と言うと、「今、何時なん!」と言い、時間を知ると、青ざめて、ダッシュで帰って行きました。
次の日も、次の日も。
いろんな事情があります。
しかし、それは、彼女自身が解決すべき事でした。
しかし、ええかげん鬱陶しくなってきたので、ちょっと、立ち止まって見たらと彼女に言ってみました。目の前の物をじっくり見て見たらと、言いました。
すると、大きな声で、「あ!!!石があった!!!」と叫びました。うるさーーーー!声の大きさがいつもおかしいねん!っていうか、そこの石はずっとそこにあるわー!!!と突っ込みますが、その言葉を無視して「これに色塗ってもいいん?」と嬉しそうに言います。ええでー。と答えると、嬉しそうに色を塗り始めました。
すると、いつもは来ない友達が偶然お店の前の道に現れました。その子はテンションMAXで友達に駆け寄り大声でマシンガンのように喋り出し、振り返らず、そのまま友達とどっかに行ってしまいました。
タイミングって、おもしろいなーっと、思いました。
同時にうるさいのが出て行って良かったとも思いましたw
循環するなーっと、思いました。
良かったね。っと、思いました。
机の上には、半分ピンクに塗られた小石が残されていました。又、続きは次の子が塗ってくれるやろー。僕は小石をそっと元の場所に戻しました。
そういえば、uni:neuには、自然とユニークな子達が集まって来ました。
家と学校の〇〇は、本当の私じゃないねん!が口癖の優等生。 〇〇の家には召使いがおんねん!と、息をするようにおもしろい嘘をつくでっかい子。 自分が持って来たお菓子を、ずっと外で食べてる子。 ただ、隅で本を読んでる子。ずっと、石を赤く塗る子。金槌が好きな子。お店の外に、カマキリを置いて行く子。いじめられている子。いじめてる子。見てみぬふりをする子。素直じゃない子。食べるのが好きな子。匂いに鈍感になってしまった子。親のお金をとってしまった子。言いたい事が言えない子。怒られたい子。暴力的な子。優しい子。。。
様々な事情をみんな抱えていましたが、自分で自分を探す中、自然とみんな誰かに助けられていたように思います。
考えてみれば、子ども達は、みんなもともと気分の良いユニークさを持っています。
みんながみんな、もっともっと気分良くユニークなままで過ごせたら嬉しいな。
気分良く。
機嫌良く。