エコひいき
「ヒロにい、エコひいきやん!」
子どもにそう言われる事がある。
「そうやで、エコひいきやで」
と、答える。
「エコひいきしたらあかんの知らんの!!!」
だいたいみんなそう言い怒り出す。
「知らん。ていうか、そんなん一番つまらん。あんた今つまらん。」
「意味わからん!先生も言ってたで!エコひいきしたらあかんって!!!」
ちょっと、めんどくさいけど
「ヒロにいは、エコひいきする。それは人に対してじゃなく、事に対してする。」
と、答えると
「意味わからんし」
と吐き捨てられ、話は終わって、何もなかった事になって、いつのまにか、拗ねやいじけはどこかに消えてしまうのが面白い。どうでも良くなるのだろう。自分で言っておきながら違和感があったのだろう。エコひいきしない人間なんていない。僕らは凡夫だから。
草刈りをしながらそういうやり取りを思い出した。蟻や蚊や知らない小さな虫、カタツムリの殻、イモリ。。。そして雑草。全部命。
好き嫌いして、エコひいきして、自分は生きている。生きている。逃げようがない。
だから、潔く自分のために。